こんにちは。志村です。
本日は、定期的に配信しているコラムをお送りします。
今回の内容はこちら⇓ 是非ご一読くださいませ。
S&P500やナスダック総合指数は8月にはいっても、高値を更新する展開が続いています。
利下げや財政拡大(減税)、規制緩和に加え、好業績発表が支えとなっています。利下げについては、ベッセント財務長官からは、現状のFOMCメンバーの見方を下回る金利水準に関する示唆が行なわれています。
一方で、14日に発表されたPPIにて輸入物価の上昇が確認されたほか、建機のディアーや小売りのタペストリーといった企業から、関税の影響を受けたと見られる失望決算が発表されています。
また、全米個人投資家協会 による8月13日の調査によると、以下の通り、半年後の株価について、弱気派が増えています(過去平均31%に対して、直近では46.2%に増加)。

投資は『長期、分散』をベースに考えるのが基本ですが、この先、短期間では単純に、『安く買って高く売る』ことが、いつも以上に難しくなるシナリオも想定したうえで、投資に臨むことをお勧めしたい状況にあります。
なお、来週21~23日は、米国ワイオミング州において開かれる経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催されます。パウエルFRB議長の発言にも注目が集まります。
そんな市況・テーマを受けて、株式市場では『長期ではポジティブ・短期ではやや慎重』という見方をする投資家が、さらに増えているといっても過言では無いでしょう。
細かな点については、次回8月28日20時に予定されているウィブル証券のセミナーでも触れていきたいと思いますが、長期的な企業の成長余地に加え、AIを踏まえた新技術・サービスが社会に拡散(ディフュージョン)される過程のなかで、新たなテンバガー候補銘柄が生まれ始めている現状を踏まえ、株式投資へのテンションは一定程度保ちつつ、目先の下落があっても慌てなくても良いように、投資ポジション・環境を整えておきたいところです。
ある程度、中長期目線で、保守的なコツコツ投資を前提とする方の基本的な戦略としては、プットオプションを売る『ターゲット・バイイング戦略』を柱とするところから始めることをお勧めいたします。
➀お目当ての銘柄について『下落したら買い』、下落しなくてもリターン(プレミアム獲得に伴う現金収入)を手に入れる。
※現状、ボラティリティが低いので、ボラティリティが高まる状況にそなえ、今はフルにポジションを作らない
②今の環境であれば、売るオプションは1か月以内(満期日が近い所)にして、リターンの年率としては10-15%程度を中心に考える。(仮に株式市場が下げてきたところで、その次の行動に移れる余力を残す)
③複数の銘柄で取り組む
というのが基本的なスタンスです。
そして、
④初級者の場合は、決算発表が終わった銘柄で検討する。見た目の内容(先行きの動向)は市場想定程度なのに、株価が下落している銘柄があれば狙い目
⑤もし、指値買いの感覚でプットオプションを売り、結果として現物株を購入することに至った後の、購入した現物株の下落のリスクをヘッジしたい場合は、プットオプションを売る一方で、プットオプションを購入しておく。
という順序で検討していくと、やるべきことが整理されやすいと考えます。
前回のコラムでご案内したダウ(DOW)の事例については、決算発表後の株価下落が尾を引き、8月11日の終値は20.87ドルまで下落しました。
(このコラムを記載している8月14日引け時点では23.37ドルまで回復しています)
仮に、8月15日満期、権利行使価格22ドルのオプションを売っていた方々は、基本的には、権利行使されていないケースが多数派であると思いますが、一部には、権利行使され、現物株を購入することに至ったケースがあるかもしれません。
もし現物株を購入された場合には、カバードコール(指値売りの感覚でコールオプションを売却)の取引をするか、または、現状のように株価回復している場合には、そのまま現物株を売却することとしても良いかもしれません。(22ドルで購入し、23.37ドルで売却することで、キャピタルゲインが得られます)
また、備えとして、ダウのプットオプションも併せて購入していた方は、もし満期日が8月15日の場合は、8月15日の引けをもってそのオプションが無価値となりますので、反対売買することをお勧めします(手数料を考慮し、0.01ドルであれば、何もしないというのも一つの戦略です。)
もし、このケースを含め、取引の手法に関するご質問がおありの方は、次回以降のウィブル証券のセミナーにご参加され、QAの時間にご質問頂ければ幸いです。
(個別株の具体的な価格予想や分析内容については、お伝えしかねますので、ご了承くださいませ)
今回はアーム・ホールディングス(ARM)を使って、シミュレーションしてみます。
同社は、7月30日引け後に26年3月期の第一四半期(25年4-6月期)の決算を発表。売上と一株あたり純利益(EPS)はともに、市場予想とほぼ一致していましたが、会社から発表された7-9月期の利益予想値が、市場予想を下回る内容であったことから、7月31日には13.4%の下落となり、その後140ドル前後での推移となっています。
仮に今後、トランプ政権が推進する人工知能(AI)インフラ投資プロジェクトのスターゲートやOpenAIとの提携、エヌビディア(NVDA)やメタ・プラットフォームズ(META)による採用等が想定されるとして、業績上振れを想定するのであれば、ここからは、株価が下がれば買い、下がらずとも現金収入(プレミアム)を手に入れるプットオプションの売りが有効だという見方をする投資家もいるかもしれません。その方に向けた8月14日引け時点のリターン試算は次のとおり。
<価格条件>
・現物株価格:140.55ドル
・プットオプション➀価格(権利行使価格125ドル、満期日9月12日、29日間):1.77ドル
<取引例>
・シンプルなターゲット・バイイング戦略として、プットオプション➀を売却し、1単位あたり177ドルを受領
・もし、株価が続落して、権利行使価格125ドル付近となった際に、現物株を購入したくなければ、プットオプション➀を買戻し(反対売買し)つつ、9月19日満期日(またはそれ以降)・権利行使価格が120ドル(またはそれ以下)のプットオプション②を売却する。
・できれば、プットオプション②でえられるリターンは、➀の買戻しのコストを上回るようにする。難しい場合は、買戻し・新規売りのトータルコストが当初得た177ドル以下であればOKという考え方も有。
<➀の収益(1単位あたり)>
29日間、12,500ドルを使って、177ドルの利益(=年利約18%)
※あくまでシミュレーションのための試算としてご案内しています。8月15日の市場があいた段階で、株価動向次第では、プットオプション➀は1.77よりも低く推移している可能性もあることから、実際の投資においては、オプション価格動向(ビットとアスク)を見ながら、指値注文することが必要です。
<補足1>
初級の方、オプションの反対売買が分からないという方は、利回りが低下するかもしれませんが、権利行使価格を120ドルかそれ以下に設定するか、または満期日までの期間を短くして、慣れるところから始められることをお勧めします。
<補足2>
現物株を買って、その株が価格下落することに備えたいという方は、例えば、満期日9月19日、130ドルのプットオプションを売り(14日時点3.35ドル)、一方で125ドルのプットオプションを買う(14日時点2.15ドル)ことで、125ドル以下への価格下落からの損失を避けることができます。
36日間で120ドル(3.35ドルー2.15ドル × 100株)のリターンとなります。
130ドルで買うことになりそうな時は、それを反対売買して、125ドルや120ドルに引き下げつつ、購入した125ドルのプットオプションを反対売買して収益獲得しても良いかもしれません。
良い投資を
志村暢彦
追伸1
今更ではありますが、X(旧ツイッター)を始めました
また、LINE(志村のぶひこ公式)向けにウェビナーも開催していきます
https://line.me/ti/p/%40913etnmq
追伸2
日本に一時帰国しています。あらためて、日本の金融を変えるんだ(良い方向に)という気持ちで満ち溢れています。先日は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)にて、今後、予定される機能向上などを踏まえ、お話を伺ってきました。
(出所:筆者撮影)
今週は、テレビ東京モーニングサテライトにて、アメリカ株を活用したテンバガー投資の考え方 について、具体的な銘柄とともに、お伝えしてきました。(7月末に大型のIPOとなり、話題に上りやすい銘柄 についても触れました)
また、同日、日本取引所(JPX)を会場として開催された、全日本学生投資連盟による投資教育のイベント にて登壇し、ETFをはじめとする各分野のプロフェッショナル達と交流させて頂きました。
(ウィブル証券の方々も、イベントで登壇したほか、銘柄分析コーナーのサポートなどを担当され、参加した100名ほどに及ぶ学生さんに教えておられました。学生さんたちにとって、良い学びの機会となったと思います)