足元の株式市場は調整色を強めていますね。
明日12月17日の20時から、年内最後となる定例セミナーを予定しています。当コラムと合わせてご利用いただくと、理解がより一層進みやすいと考えています。
申し込みはこちら から。是非、ご検討下さいませ。ではコラム本編です ⇓
前回コラム(11月28日)にて、
『アメリカ経済や株式市場全体を俯瞰すると、2025年末にかけては、成長鈍化(景気減速)が意識されやすく、2026年は秋の中間選挙に向けて、底堅い成長に回帰しやすいといった見方をする投資銀行が多くいると感じます。』
と記載しましたが、まさにそれを受けた流れになっていると感じます。
本日12月16日には、11月の雇用統計が発表される予定ですが、政府閉鎖期間中のものが含まれているので、市場参加者もその点を割り引いて判断することが想定されます。
また、仮に悪い数値が出ると、利下げ期待が高まるでしょうから、これを受けて市場のトレンドが形成されるという感触ではありません。
また、年末まで、まだまだインフレ(物価)や景況感に関する経済統計が出てきます。例年よりも材料が多く忙しい年末になりそうです。
これらを受けて、トータルとしてどう判断するのかが、マクロ経済を読みながら投資する人々にとって重要となります。
基調としての米経済は好調で、10月のIMF、11月のOECDに続いて、先週発表されたFOMCメンバーによる2026年の経済見通し(ドットプロット)においても、成長率の見通しが引き上げられました。
米国の株式市場については引き続き最高値圏にとどまっていて、長期的には、
利下げのほか、減税、政府の量的縮小停止、および規制緩和といった追い風が吹いています。
この辺りは前回のコラムから見通しが変わっていません。
一方で、好決算を発表したにも関わらず、株価調整(下落)しているブロードコム(AVGO)をはじめとして、AI革命の中心的な役割を担うとみられる企業群の株価が軒並み下落しています。

(出所:ウィブル証券)
ブロードコムの他には、エヌビディア(NVDA)やTSMC(TSM)、オラクル(ORCL)といった高成長が期待される先進企業群に関する翌期の株価収益率(PER)が、S&P500指数の平均値と変わらない事例が増えています。
そういった状況を踏まえ、保守的な投資を行うためにどのように個別株のオプション戦略を活用すると良いのか、2026年の株式市場に備える考え方については、整理されると良いタイミングです。
以前ご案内したイオンキュー(IONQ)、また前回ご案内したエヌビディア(NVDA)、The GraniteShares 2x Long NVDA Daily ETF(NVDL)の事例については、現在のところ、シミュレーションで取り上げた権利行使価格まで下落せず、満期日まで4日程度を残す状況となっています。
昨今では、GraniteShares(グラナイトシェアーズ)社などが提供するような、レバレッジ型のシングルストックETFの人気が高まっています。エヌビディア(NVDA)よりもNVDLの株価は低く、より手軽に手掛けやすいという側面もあります。
もしこの件を含め、シミュレーションの考え方などについてご質問のある方は、セミナーのQAタイムなどをご活用頂ければ幸いです。(今回も、多めにQAの時間を取る予定です)
今回はマーベル・テクノロジー(MRVL)を使って、シミュレーションしてみます。
カスタム半導体をはじめとして次世代ITテクノロジーやソリューションを提供する同社は、今後も高い業績成長が期待される一方で、投資銀行による誤報(Amazonなど大手の受注を失ったという憶測)などを受けて株価低迷しています。
誤報についてはCEOが明確に否定するなど対応しているものの、前述したブロードコムなどの企業群同様に、27年の予想PER(23倍程度)を見ると、株価の過熱感は乏しいように見受けられます。
中長期で裾野が拡大することが確実視されるAI領域において、足元では調整圧力が存在するような同社への長期的な投資を行う視点で、保守的にデリバティブ取引を行うには、
短期的な下落局面にもある程度目配せしつつ、株価が下がれば買い、下がらずとも現金収入(プレミアム)を手に入れるプットオプションの売りが有効であるといった見立てとなります。その方に向けた12月15日引け時点のリターン試算は次のとおり。
<価格条件>
・現物株価格:84.26ドル
・プットオプション➀価格(権利行使価格72.5ドル、満期日1月16日、32日間):0.97ドル
<取引例>
・シンプルなターゲット・バイイング戦略として、プットオプション➀を売却し、1単位あたり97ドルを受領
・もし株価が下落して、権利行使価格72.5ドル付近となった際には、現物株を購入しないため、プットオプション➀を買戻し(反対売買し)つつ、1月23日満期日、またはそれ以降で、権利行使価格が70ドル(またはそれ以下)のプットオプション②を売却する。
・できれば、プットオプション②で得られるリターンは、➀の買戻しのコストを上回るようにする。難しい場合は、買戻し・新規売りのトータルコストが当初得た108ドル以下であればOKという考え方も有。
<➀の収益(1単位あたり)>
32日間、7250ドルを使って、97ドルの利益(=年利約15.3%)
※あくまでシミュレーションのための試算としてご案内しています。12月16日の市場があいた段階で、株価動向次第では、プットオプション➀は0.97よりも低く推移している可能性もあることから、実際の投資においては、オプション価格動向(ビットとアスク)を見ながら、指値注文することが必要です。
<補足(重要)>
初級の方、オプションの反対売買が分からないという方は、利回りが低下するかもしれませんが、権利行使価格を70ドル以下に設定するなど、リスクを抑えた形で慣れるところから始められることをお勧めします。
<補足2(重要)>
プットオプションを買って(暴落保険的な観点で)、万一の大きな価格下落することに備えたいという方は、例えば、満期日1月16日、60ドルのプットオプションを買う(12月15日時点0.2ドル)ことで、60ドル以下への価格下落からの損失を避けることができます。
市場の暴落のリスクに備えるという視点では有効な組み合わせの一つです。
具体的な株式市況の捉え方については、こちら でも触れていきたいと思います。
良い投資を
志村暢彦
追伸1
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