こんにちは。志村です。
本日は、定期的に配信しているコラムをお送りします。今回の内容はこちら⇓ 是非ご一読くださいませ。
10月頭に突入した政府閉鎖が今も続いています。
政府閉鎖というと、投資家の皆さんがまず思い浮かべるのは、雇用統計をはじめとした経済指標が出ない(マクロ経済環境の確認が出来ない)こと等ではないでしょうか。
もちろん、影響はそれだけにとどまらず、閉鎖長期化によって、短期的には経済全体にマイナスの影響を与える可能性を踏まえて備えることも、投資家には必要かもしれません。
社会の事象に目を向けます。例えば空港。管制官や保安検査、入国審査などにあたる政府職員が一時帰休している影響で、航空便の遅延や欠航が相次いでいます。
(私も先日、米国外からサンノゼ空港に到着・入国しましたが、入国審査にあたる職員がとても少なく、長蛇の列となっていました)
また、米国時間18日(土曜日)には、No Kingsと銘打った、反トランプ政権の大規模デモが、全米各地で開かれました。日本ではあまり話題になっていないかもしれませんが、こちらではそれなりに大きなニュースです。
このコラムは政治の善し悪しを語る場所ではないので、事実だけにスポットを当てますが、デモ参加者の声・狙いとしては、トランプ氏の政策(主に関税・移民関連)への不満はもとより、トランプ氏がいずれ退いた場合に想定される次期大統領への牽制も兼ねているようです。
もちろんそんなに単純な構図ではないのですが、デフォルメしていうと、現政権は、『資本家層と、資本主義経済の発展に伴い置いていかれた(と思っている)白人低所得者層の支持を得る』政策をとっていると認識する人が多いため、中間層・グローバリズムの志向を持つ層からは、反発の声が上がりやすい状況となっています。
その事象を横目に、AIの社会実装は着実に進んでおり、新たな枠組みが構築される最中にあるので、社会・経済情勢が従来にはない「うねり」を見せていると理解しています。
そういった状況を踏まえ、株式市場を見ると、まずS&P500は月初来で0.4%の下落。
9月まで5カ月連続で上昇し、10月初旬には、ボラティリティ(VIX)が上がる中で、株価も上がる、そして金先物も米ドル(ドルインデックス)も買われるという特殊な状況にありましたので、
少なくとも株価については、ボラティリティが上がって、株価が下がるという正常な状況に回帰しつつあると言えます。
9月・10月とボラティリティが上昇している点については、このコラムで何度も予測としてお伝えしてきている(ウェビナーでも都度取り上げてきた)ので、以前からコラムをお読みの方には全く驚きのない事象といえるでしょう。
今後の株式指標(S&P500等)の動向については、AI革命の進展、メガIT企業群の巨額設備投資、大手IT企業の事業提携など、従来にはない事象を踏まえる必要があるため、引き続き、予測が大変困難な状況にあります。
一方で、すでに始まっている7-9月期の決算について、金融機関からは概ね良好な内容が示されていて、AIからやや遠いと見られていた(過度な期待が無い)業界の企業群は、うまく決算発表を切り抜けています。
とはいえ、今の市場環境は山の天気のように移ろいやすく、時に大きく牙を剥きかねません。
16日には、地銀2行による不良債権開示が引き金となり地銀株が売られ、17日に反発しました。
地銀株に限らず、保有銘柄について、決算発表がある際の株価の値動きについてはいつも以上の注意を傾けることをお勧めします。
なお、株式市場におけるマクロ経済の見通しについては、毎月恒例のセミナーでも触れています。
(以前より私のセミナーをご視聴くださっている手練れの投資家の皆様からは好評を頂いています)
次回は10月22日(水)の予定です。申し込みはこちら から。
前々回のコラムでご案内したグラナイトシェアーズ2倍ロングNVDAデイリーETF(NVDL)、そして前回のオラクル(ORCL)の事例については、いずれも、シミュレーションで取り上げた権利行使価格まで下落することなく、満期日を迎えました。
その意味では、「下がれば現物株を買い、下がらなくともオプション料を受取り、現金収入を獲得する」という考え方に基づく投資が実践に関するシミュレーション結果となったと思います。
ボラティリティが上昇してきたこと、決算発表シーズンであることから、目先のシミュレーションについては、なるべく決算発表をまたがない形で見る(山の天気の急変に備えるごとき注意を払う)のが適していると考えます。
今回はシチズンズ・フィナンシャル・グループ(CFG)を使って、シミュレーションしてみます。
個人、中小・中堅企業、大企業・機関向けに幅広く銀行サービスを提供する銀行持株会社である同社は、米国北東/中西部の支店を中心に、「コンシューマー・バンキング(個人・中小企業)」と「コマーシャル・バンキング(中堅・大企業・機関)」を手掛けています。
10月15日に7-9月期の決算を発表した同社は、17日引け時点では、発表時よりも小幅に株価下落した水準で推移しています。
7-9月期の決算は概ね良好で、収益・利益・NIM(貸出利ざや)ともに、前年同期から改善を示すものでした。一方で、同社が掲げる、中長期的なROTCE(純利益率)目標には届かず、改善の道半ばという状況です。
経営陣からは、資本市場と富裕層が業績を牽引している旨が聞かれ、決算発表日には、22年以降3年ぶりの増配(9.5%上昇)も併せて発表されています。
米国では、一部の地銀による不良債権開示に加えて、9月に中古車販売のトライカラー・ホールディングス社と自動車部品メーカーのファースト・ブランズ・グループが経営破綻したことなどを踏まえ、融資の質(引き当ての有無)を警戒する声が聞かれます。一方で、小さな火種を見逃さないための市場の監視の目がある程度行き届いていることや、格付評価機関から懸念の声が聞かれないことから、決算開示が終わった銀行については、目先はクリアな状況と判断されやすい環境にあります。
もちろん楽観は禁物です。過度に楽観・悲観しすぎず、目先のデコボコ道を切り抜けていくという視点が良いのではないでしょうか。
以上を踏まえ、長期的視点で同社に投資するというよりも、目先の他社の決算リスクに備えるという視点のもと、短期的な下落局面にもある程度目くばせしつつ、株価が下がれば買い、下がらずとも現金収入(プレミアム)を手に入れるプットオプションの売りが有効であるといった見立てとなります。その方に向けた10月17日引け時点のリターン試算は次のとおり。
<価格条件>
・現物株価格:49.31ドル
・プットオプション➀価格(権利行使価格45ドル、満期日11月21日、33日間):0.78ドル
<取引例>
・シンプルなターゲット・バイイング戦略として、プットオプション➀を売却し、1単位あたり78ドルを受領
・もし株価が下落して、権利行使価格45ドル付近となった際には、現物株を購入しないため、プットオプション➀を買戻し(反対売買し)つつ、11月21日満期日(またはそれ以降、例えば12月19日など)・権利行使価格が42.5ドル(またはそれ以下)のプットオプション②を売却する。
・できれば、プットオプション②で得られるリターンは、➀の買戻しのコストを上回るようにする。難しい場合は、買戻し・新規売りのトータルコストが当初得た78ドル以下であればOKという考え方も有。
<➀の収益(1単位あたり)>
33日間、4,500ドルを使って、78ドルの利益(=年利約19.2%)
※あくまでシミュレーションのための試算としてご案内しています。11月20日の市場があいた段階で、株価動向次第では、プットオプション➀は0.78よりも低く推移している可能性もあることから、実際の投資においては、オプション価格動向(ビットとアスク)を見ながら、指値注文することが必要です。
<補足(重要)>
初級の方、オプションの反対売買が分からないという方は、利回りが低下するかもしれませんが、権利行使価格を42.5ドル、またはそれ以下に設定するなど、リスクを抑えた形で慣れるところから始められることをお勧めします。
<補足2(重要)>
プットオプションを買って(暴落保険的な観点で)、万一の大きな価格下落することに備えたいという方は、例えば、満期日11月21日、45ドルのプットオプションを売り(10月17日時点0.78ドル)、一方で満期日11月21日、40ドルのプットオプションを買う(10月17日時点0.21ドル)ことで、40ドル以下への価格下落からの損失を避けることができます。
市場の暴落のリスクに備えるという視点では有効な組み合わせの一つです。
33日間で57ドルのリターンとなります。(=年利約14.0%)※シミュレーションはいずれも手数料除き
仮に45ドルで権利行使されそう(現物株を購入することになりそう)だけれども、そこでは買いたくないといった状況になった場合には、45ドルのプットオプションを反対売買(買戻し)して、42.5ドル以下に引き下げても良いかもしれません。
具体的な株式市況の捉え方については、次回10月22日20時に予定されているウィブル証券のセミナー でも触れていきたいと思います。
良い投資を
志村暢彦
追伸1
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※次回は11月1日・2日頃を想定しています。