<S&P 500:SPX>
S&P 500(SPX)は停滞しています。10月21日以降、市場は5860を突破しようと試みましたが、成功していません。先週は5760までの小幅な調整がありました。この調整により、出来高が減少するなど市場構造データの一部に悪影響を及ぼしましたが、大きな問題にはなっていません。
5670-5770のサポートゾーンは依然として健在で、先週の調整はこのゾーンの上限に触れただけで、その後市場は反発しました。従って、これは大きなトレンド転換にはならないだろうと考えられますが、5670を下回る終値であれば話は変わります。

<VIX指数>
VIXは依然として上昇と下降の両方のシグナルが出ている状況です。9月26日から10月8日までの急速な上昇後、RSIが過熱感を示したことからVIXの売りシグナルが継続していますが、このシグナルは200日移動平均線を下回ると終了となります。
一方で、VIXが再び21日移動平均線を上回ってきたことで、短期的なVIXの買いシグナルが発生し、短期的な上昇トレンドへの転換が期待されます。VIXが21日と200日移動平均線の間まで下落したことで、このような混在した状況に陥っています。これは全て、米大統領選を控えて、S&P 500の日々の値動きが大きくなるなど、市場が安定していないからです。

プットコールレシオ(PCR)の短期3日移動平均線が21日移動平均線を上回ったため、現在S&P 500に売りシグナルが発生しています。また、先週、債券市場の下落による長期金利の上昇がS&P 500に悪影響を与え、PCRの21日移動平均線はプット買いの増加を示しています。
この二つの移動平均は、S&P 500の下落が予想よりも大きくなる可能性を示唆しています。

<話題の銘柄・セクター>
General Motors(ジェネラルモーターズ) 【GM】
ゼネラル・モーターズ(GM)は10月22日、第3四半期の決算を発表し、利益と売上高ともに市場予想を上回りました。好調な業績の要因として、ガソリンエンジンのトラックとSUVの堅調な販売に加え、在庫水準の抑制効果が挙げられます。
GMは年初に、通年の税引き前利益を120億ドルから140億ドルと予想していましたが、力強い価格設定と消費者支出に支えられ、年央には130億ドルから150億ドルに上方修正しました。そして今回の決算発表では、さらに上方修正し、140億ドルから150億ドルを見込んでいます。
第3四半期の調整後1株利益は2.96ドルで、アナリスト予想の2.43ドルを上回りました。売上高は488億ドルで、こちらも予想の446億ドルを上回っています。
しかし、中国事業は引き続き低迷しており、上半期の2億1000万ドルの赤字に続き、第3四半期には1億3700万ドルの損失を計上しました。GMは中国事業の再編を計画しています。

GMの決算が発表された後、GMの株価は、これまでのレジスタンスをブレイクアウトしました。
このブレイクアウトは、好決算を好感した買い注文が殺到し、需要を満たすだけの供給がなくなったために起こった現象です。GMの将来性に対する期待が高まり、多くの投資家が株式の取得を希望した結果、市場に売り手を呼び込むためにプレミアムの入札を余儀なくされたのです。
通常、株価が抵抗線に達すると、動きが変わります。すべての需要を満たすには十分すぎるほどの供給があれば、買い手は価格の上昇を心配することなく、好きなだけ株を買うことができます。しかし、過去の高値圏では、利益確定売りが増える、あるいは、心理的な抵抗感から新規の買いが入りづらくなるため、抵抗線に達した後、株価が反転して下がることもあります。チャートを見ればわかるように、7月、8月、9月に50ドルの抵抗線に達したGMの株価がそうでした。
ブレイクアウトしたからと言って、その株式が上昇を続けるとは限りません。レジスタンスをブレイクして上昇した場合、ブレイクしたレジスタンスが今度はサポートになり、株価を支えるポイントになります。その主な理由は、ブレイクで買えなかった投資家とトレーダーはそのポイント近くで株式を購入しようとする傾向があるからです。しかし、一時的に上昇したとしても、その後、売りが強まり、抵抗線を下回ってしまう場合もあります。
もう一点、忘れがちなのが、ブレイクアウト前の安値などにストップロスの逆指値注文が多く設定されている傾向があり、そのポイントで空売りすることで短期間なボラティリティの上昇を狙うオプショントレーダーも存在していることです。
ブレイクアウトにのって攻めていくのか、もしくはダマシを利用して収益をあげるのか、いずれにしてもブレイクアウトした銘柄にはトレード機会が多いあります。
<注意>
オプション取引は、株式投資よりもリスクが高い投資手法です。オプション取引を行う場合は、損失を限定するための適切なリスク管理手法を理解しておくことが重要です。
著者 なりた・ひろゆき