こんにちは。志村です。
今週末(6月15日)は、日本同様に、アメリカでも「父の日」。
主だったイベントはあまり目にしませんが、小売店では、父の日に因んだセールが開催されている傾向にあります。
半期に一度の大きなセール的な位置づけのお店も。
「父向け」が重視されているということではなく、日柄的に、セールをするには良い時期なんでしょうね。いよいよ夏本番(休暇シーズン入り)ですし、大学も卒業式シーズンなので。
株式市場は、トランプトレードが継続していて、今は「TACO」(タコ)トレードの余韻が残ります。
TACOとは、トランプ氏はいつも怯んで退く(Trump Always Chickens Out)の略で、英フィナンシャル・タイムズ紙のコラムなどが言い始めた造語です。
こういう類のものは、認知が広まるにつれて徐々に効かなくなるので、今後もこのセオリーに則って投資判断を下しましょうという意図はありません。
が、少なくとも、7月4日の独立記念日までは、減税法案を上院でも通して、強いアメリカを演出したいトランプ氏の意向が強いので、株価を支えやすい材料となり得るのは確かです。
減税法案については、財政規律を守ることを重視する「フリーダム・コーカス」や、政府の支出カットに奔走したイーロン・マスク氏の反対を押し切ってでも、支持率回復に努めたい政策陣営の強い意図が反映され、駆け引きが続きます。
中間選挙に向けた政党支持率については、3月7日から5月15日までの調査期間では、民主党:共和党が45.6:43.8となっており、民主党リードの世論が見てとれましたが、最新(6月4日まで)の調査によると、民主党:共和党について46.3:43.7と、民主党リードが拡大しています。
(いずれも、メディアで引用されることの多い、RealClearPoliticsによる調査結果です)
トランプ政権は大学自治についても手を入れ、補助金カットに加え、エンダウメント投資(大学基金の投資)の利益への税率大幅拡大、教授・学生のビザ停止など、国内における分断が進む施策を推し進めているので、イノベーション創出のスピードが鈍ったり、アメリカ一極集中への懸念が高まるなど、不安が拡大していることも、支持率低下に影響している可能性はあります。
また、今後の鍵を握る米中関係については、5月に開かれたスイス・ジュネーブでの相互関税適用延期の合意に加えて、6月5日の、米中首脳会談(電話)が開催され、米国の意向を受け、中国からのレアアース輸出再開が同意されたと報じられています。
レアアースは、一般的な産業のほか、米国の生産性向上に資するロボット開発においても不可欠な部材ということで、高まった米中の緊張が緩和した状態は今後も維持されやすい環境にあります。
中国は、5%経済成長達成に加えて、高まった米中緊張に備えるために、
・金融政策(預金準備率・政策金利の引き下げ)
・財政政策(特別国債発行・地方政府発行枠拡大)
・消費刺激策(家電・自動車の買替え補助等)
・産業推進策(AI、量子技術、6Gなど先進技術開発)
・その他低所得者層支援策など
を講じてきたこともあり、米国一極集中を見直したい投資家からすると、シナリオ分散して、恩恵を受ける企業を探すうえで、株価の出遅れ感がある銘柄に注目し、ポートフォリオのリスクを低下させるには良いタイミングと言えます。
株価の出遅れ感に着目する際には、銘柄選びの視点としては、「想定された悪材料はどの程度織り込まれたのか」(今から、その悪材料がまた出た際に、株価は売りの反応が出やすいか)、「新規の好材料は期待できるか」といったポイントが上げられます。
また、中国の刺激策の恩恵に関する銘柄という観点では、もちろん、それに関する恩恵もポイントになります。
ポイントとなる視点の一部はこちらでも解説していますが、本日は、この考え方をさらにオプション戦略に落とし込む事例(取引シミュレーション)を見ていきたいと思います。
例えば、クアルコム(QCOM)。昨年度は、中国における売上高が全体の45%程度を占めた企業です。
QCOM株価(1年)

(出所:ウィブル証券)
業績への懸念などもあり、PERでみても相対的に割安な状況が続いていますが、一方で、中国の刺激策の恩恵に加えて、AIのさらなる社会浸透の恩恵を受けやすい位置にいます。次回四半期決算は7月末頃の予定です。
株価が下がったら現物株を買う、買いたい水準まで下がらない場合はオプション料だけを手に入れる、プットの売り戦略(ターゲットバイイング)を実行すると、リスクは、現物株を安く買った後、そこからさらに下落することに限定されます。
満期日6月18日(40日間)で、権利行使価格を135ドル(現状から9.4%下の水準)とすると、直近では、1.62ドルのプレミアム受取でした。
162ドルを年率換算し、分母を133.38ドル(=135ドルー1.62ドル)とおくと、想定年間リターンが11%となります。
権利行使価格(現物株を買いたい株価)を140ドルにあげると、プレミアムは2.58ドルに上がります。
2つ目の事例は、ナイキ(nke)。これまでのスニーカーブームの終焉や、他社との競争激化、過剰在庫などを嫌気して、株価は上値の重い展開が続いています。一方で、経営陣の刷新を概ね完了し、中国での回復の恩恵に加え、アメリカではアマゾンでの販売再開の恩恵が想定されます。
NKE株価(1年)

(出所:ウィブル証券)
スポーツアパレル他社の失望決算(株価暴落)を受けても、同社の株が連れ安する状況でもありません。次回決算発表を6月26日頃に控えます。(直近では6四半期にわたって、決算発表後に株価が下落する展開が続きました。アメリカの著名企業としては異例の状況です)
株価が下がったら現物株を買う、買いたい水準まで下がらない場合はオプション料だけを手に入れる、プットの売り戦略(ターゲットバイイング)を実行すると、リスクは、現物株を安く買った後、そこからさらに下落することに限定されます。
満期日6月18日(40日間)で、権利行使価格を55ドル(現状から12.4%下の水準)とすると、直近では、0.97ドルのプレミアム受取でした。
97ドルを年率換算し、分母を54.03ドル(=55ドルー0.97ドル)とおくと、想定年間リターンが16%となります。
権利行使価格(現物株を買いたい株価)を57.5ドルにあげると、プレミアムは1.51ドルに上がります。
s&p500種株価指数が、4月の安値から2割上昇した現在は、株価調整したところを丁寧に拾っていきたいという投資家が増えていると思います。
オプションを組み合わせて、難しいポジションをとるよりも、投資したい現物株とからめながら、シンプルなオプションを組み合わせることで、年間でプラス10%以上のリターン獲得を続けながら、株価調整のチャンスを待つと良いのではないでしょうか?
トランプTACOトレード、つまりびっくり発言させる発言としり込みからの恩恵を狙うには、市場の下落時にプットを売り、安値で目当ての銘柄を仕込む戦略も有効です。
デメリットとしては、結果的に株価の下落幅が大きくならずに反発した場合、現物株を欲しかったという人は、結局買えないケースもあるということです。
もしあなたがそういった投資家であれば、その銘柄が買いたい(中長期的に安い)と思える水準で、現物株をまず購入し、それをベースに上がったら売る・上がらなくても現金収入を手に入れるという、コールオプションの売り戦略も有効になります。
また、現状、株式市場の変動幅は落ち着いているので、株価が下落して変動幅が上昇し、受取プレミアムが上昇するのを待つ間は、オプション期間を短くするのも良いでしょう。
現物株にシンプルなオプションを絡めて使用することで、投資の幅が広がります。是非、長期的な利益積み上げの武器として理解を深めてみてください!
ポートフォリオに組み入れるための基礎的な概念や具体的な取引方法については、随時ウィブル証券のセミナーを参考にして頂けますので、よろしければ一度ご参加をご検討くださいませ。
次回の私によるセミナー は6月25日(水)を予定しています。
良い投資を
志村暢彦
追伸
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