・オプション取引には必ず満期日がある
個別株を買った場合、満期というものはなく、いつまでも無期限に保有することができます。しかし、オプション取引には必ず満期日があり、それまでには権利を行使するか、最後まで権利を行使しなければ権利放棄ということになります。
また、オプションは減価する資産であり、その時間的価値は、満期に近づくにつれて減少します。この変化は「時間的価値の減少(タイム・ディケイ)」と呼ばれます。タイム・ディケイは、オプションの買い手に不利に働き、オプションの売り手に有利に働きます。
下の図に示すように、時間的価値の減少は直線的には進みません。他のすべての要素を一定に保った場合、オプションは満期が近づくにつれて、時間的価値の減少が速くなります。

オプションを購入する際、多くの投資家は割安だからという理由で短期のオプションを購入しがちです。
短期オプションは強力なレバレッジ効果により、資金に対して大きなプラスリターンをもたらす可能性がありますが、株価が想定しなかった方向に動いたり、(コール・オプションの場合)時間的価値の減少効果を打ち消すほどは株価が上昇しなかったりすると、あっという間に価値がゼロになる可能性があります。
通常、短期のオプションは残りの有効期間が短いため割安ですが、その分、オプションが無価値になってしまうのも早くなるのです。
・オプションではレバレッジをかけられる
オプションの買い手は、契約金額(通常はオプションの原資産となる株式100株分)に対して比較的小さなプレミアム(オプション料)を支払うだけで、株式を売買したのと同じような効果を得ることができます。投資家は、原資産となる株式の比較的小さいけれど有利な価格動向から、大きな利益を得ることができます。

レバレッジは、オプションの買い手にとってマイナス面もあります。
株式を直接買った場合は、株価が下落して含み損が拡大しても、その後、市場が反発すれば取り戻せる可能性があるのに対し、オプションの有効期間内に株価が予想通りに動かなかった場合、オプションは無価値のまま失効する可能性があります。
つまり、オプション取引はレバレッジを効かせて、コスト効率の高い投資ができるわけですが、利益も損失も拡大しやすくなります。このようにオプションは株式よりもリスクが高いことは覚えておきましょう。