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(後編)取引のオペレーションと注意点(権利行使・割当) エヌビディアへのわずか25,000円の投資で450,000円を得た方法

ウィブル証券でもできるようになったスプレッド取引-買いコストを下げる

トランプ関税ショック 逆張りエヌビディアコール買い!

守屋史章(オプショントレード普及協会)

前編 では、コール買いのコストをそれよりも高い権利行使価格のコール売りで得るプレミアムで下げるというスプレッド取引を紹介したが、本稿(後編)では、これを実際の取引ツールでどのように取り組むのか、そして株オプション独特のシステムである権利行使と割当について説明していく。

スプレッド取引は、オプションの買いと売りを組み合わせた取引方法であるが、これを同時に組む場合と、時間差で組む場合がある(後者については別稿に譲る)。

同時に組む場合は、ストラテジー注文機能で「バーティカル」を選択すればよい(①)。一般に、権利行使価格は縦に並んでいることから、垂直の位置関係にあるスプレッドということで「バーティカル」スプレッドとよばれる。

なお、権利行使価格が同じで満期が異なる組み合わせの「カレンダー」スプレッドは、古くより権利行使価格を縦に固定して、満期を横に配列していたことから、水平の位置関係という意味で「ホリゾンタル」スプレッドとよばれることがある。満期と権利行使価格の両方が異なる組み合わせは斜めの関係になることから対角線を意味する「ダイアゴナル」スプレッドとよばれる。

さて、前編で取り上げたC150とC180のブルコールスプレッドは、権利行使価格の幅が30であるから「幅30」を選択し(②)、満期を選んで(③)、あとは150と180の組み合わせを探し(④)、売り気配をクリックする(⑤)。

出所:Webull Desktopより

「売り気配」の部分をクリックすると(⑤)、上記のように「買付」注文が立ち上がる(⑥)。デフォルトで自動的に指値が中値になっているのも便利だ(⑦設定で変更可能)。

オプション取引においては、買い気配(ビッド)と売り気配(アスク)の気配の差(この気配の差のこともスプレッドという)が大きい場合も多いため、中値に指してみて、約定しない場合には、不利な方向(買いで入るならばアスクに近づける)に少しずつ指値価格を引き上げていく(指値価格の変更)ようにするとよい。

上記では、買い気配(ビッド)=18.55、売り気配(アスク)=19.00といったように0.45のスプレッドがある。そこで、ひとまず中値18.78に指してみるというわけだ(なお、オプション価格が3.00ドルまでは0.01の呼び値なのに対し、3.00を超えると0.05になるため、場合によっては18.80という注文になることもある)。

約定しない場合には、18.80、18.85、18.90、18.95と指値を売り気配の19.00に少しずつ近づけていく具合だ(これぐらいのスプレッドコストが許容できるならば19.00にぶつけてもよい=売り気配を買うときに売り気配にぶつけると表現することもある)。

さて、このような複数のレッグを一括で注文する方法(ストラテジー注文)では、必ずすべてのレッグが約定するので大変便利だ(取引所により、そのようなセットでの取引が可能な機能が提供されている)。

一つのポジションをとった後、もう一つのポジションがなかなか約定しないでいるうちに、株価が変動して不利な注文になってしまった、ということは起こらない。

なお、この画面ではさらにカスタマイズか可能だ。権利行使価格の組み合わせを任意に変更することも、満期日を自由に再設定することも可能である(それぞれのレッグに異なる満期日を設定することはできない=設定したい場合は「ダイアゴナル」で行う)。

では、このようにして組成したブルコールスプレッドが満期を迎えた場合にどのようになるのだろうか。前編で取り上げたC150買い+C180売りのポジションで考えてみよう。

1.満期の株価が150ドル未満の場合

これは、C150もC180も無価値になり最初に支払った金額が損失額ということになる。

2.満期の株価が150ドルと180ドルの間にある場合

この場合、C180は無価値になるため180ドルで株を売る義務は消滅するが、C150はインザマネーであることから、150ドルで株を買うことになる。コールオプションは株を買う「権利」ではあるが、満期にインザマネーの場合、原則として自動権利行使により株を当該権利行使価格でオプション1枚あたり100株購入する必要がでてくる。よって資金が足りない場合には満期直前にポジションを強制的に決済されることになる(C150の売却)。

なお、ウィブル証券では、信用口座を開設している場合には、信用買いができる資金がない場合には、やはりコールオプションは強制的に決済されることになる。もし株を取得するつもりがないのであれば、自身で満期日(最終取引日)の引け1時間程度前までには決済(売却)するべきである。

3.満期の株価が180ドル以上の場合

この場合、C180売りがインザマネーであるため、権利行使を受ける(割当)リスクがある。米国株オプションは権利行使に関してはアメリカンオプションに分類され、これはいつでも権利行使が可能である(ヨーロピアンタイプは満期にのみ権利行使の処理がなされる)。

オプションの売り手はこれをコントロールできない。もっとも株価が180ドルを超えたら即割り当てになるわけではない。コールの権利者にとって権利行使は、当該オプションを使ってしまうことを意味する=残っている時間的価値を使い果たすことになる。

時間的価値がまだ十分に残っている場面で株を買いたいならば、そのコールを市場で売却し、時間的価値を回収したうえで、株式市場でダイレクトに株を買った方が経済的には合理的だ。なお、コールの権利者にとって、権利行使をするタイミングは原則として満期が最も合理的とされる。

なぜなら、株を買う資金をそれまで別で運用できるからだ。しかしこれには唯一の例外があり、配当を得たい場合、コールのままでは配当はもらえないため、配当の権利を得られる日(ex-dateの前日)に権利行使が行われることが多い。

その場合でも、配当額と捨てることになる時間的価値を比較して後者が多い場合には、やはりコールを売却して、株をダイレクトに購入した方が合理的だ。よって、権利行使を受ける可能性が高いのは、相当程度深いインザマネーであり、時間的価値が配当に比べて相当程度小さくなっている状態でex-dateが近づいてくるタイミングということになる。

もしC180が権利行使を受けた場合にはどうなるのだろうか。コール売りは株を売る義務であるから、コールの権利者に対して株を180ドルで売却する必要がある。株を持っていればその株を相手に売却しておしまいになるが(C150は残る)、実際にはC150+C180のブルスプレッドを組んでいるということは株を持っていないことがほとんどだろう。

そうなると、株を市場で調達して売る必要がでてくる。しかし、割り当ては突然やってくるので、株を用意する暇はない。そこで、証券会社から借りて相手に株を引き渡すことになっている。

つまり空売りになるということだ。だから株を持たないコールオプションの売りで割当を受けた場合や株を持たないプットオプションの買い(株を売る権利)で満期を通過させる場合には信用口座が必要になるのだ。

一般に株の空売りは株価が理論上は青天井なのでリスクの高い取引とされているが、今回はC150(株を150ドルで買える権利)を持っているので、いくら株が上がろうが150ドルで株式を調達できることから上昇リスクはない。

ただ、空売りを行うだけの資金(保証金)が信用口座に無い場合は、割り当てにより一旦強制的に建てられたこの空売りは、マーケットが開いたところで強制的に閉じられる(買戻しが行われる)。この場合、C150だけが残るため、更なる上昇を期待しない場合には即C150を市場で売却する必要がある。

では、C180が満期まで権利行使を受けずにC150とともに満期通過した場合はどうなるのだろうか。この場合は、C150 の自動権利行使により一旦株が購入され、そしてC180の自動割当が行われ、株が売却される結果、ポジションはなくなる。購入代金が無くてもこの場合は相殺できることがわかっているためこのような処理になる。

問題は、ぎりぎり180ドル付近にある場合だ。この場合は、C150だけがインザマネーで終わりC180がアウトオブザマネーで終わる可能性もあるため、両方が強制決済の対象になる可能性がある。

強制決済は不利な価格で決済される可能性があるため、スプレッドポジションは満期前にある程度のところで自身で決済するべきである。

株式会社M&F Asset Architect

(オプショントレード普及協会)

代表取締役 守屋史章

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